トレンド分析
SEPAとは? ステージ2と トレンドテンプレート入門
マーク・ミネルヴィニのSEPAとは何か、ステージ2の考え方、トレンドテンプレートで銘柄を絞る理由、GSDAQがそれを参考にした使い方を紹介します。
SEPAとは 何か
SEPAはSpecific Entry Point Analysis(具体的なエントリーポイント分析)の略で、マーク・ミネルヴィニが2013年の著書『Trade Like a Stock Market Wizard』(邦訳『ミネルヴィニの成長株投資法』パンローリング、2014年)で体系化し、自身の教育サービスで教えている株式の売買手法です。ひと言でいえば、すでに力強い上昇トレンドに入った銘柄(本人の言うステージ2)を探し、そのうえでいつ買うかを詰める手法です。最初のふるいがトレンドテンプレートで、銘柄がそもそもステージ2にあるかを確かめるチェックリストです。この記事はこうした考え方の入門で、SEPAの全体系や公式講座ではありません。 マーク・ミネルヴィニ『Trade Like a Stock Market Wizard』(McGraw Hill、2013年)
出典: Mark Minervini: official SEPA education and services · 国立国会図書館サーチ:『ミネルヴィニの成長株投資法』(パンローリング、2014年)
ステージ2とは 何か
ミネルヴィニは株価の一巡を4つのステージに分け、静かな底値圏を抜けて上がり始めた2番目のステージでだけ買いの機会を探します。眠っている銘柄、天井をつけつつある銘柄、下がっている銘柄は避け、市場がすでに押し上げている銘柄に時間を使う、という発想です。 マーク・ミネルヴィニ『Trade Like a Stock Market Wizard』(McGraw Hill、2013年)
画面が狭い場合は表を左右にスクロールできます。キーボードでは表にフォーカスを合わせ、矢印キーを使ってください。
なぜトレンドテンプレートを使うのか
「この銘柄は上昇トレンドか」という問いを書き出した条件に置き換えると、誰でも同じデータで同じように確かめられます。数千銘柄をまずステージ2のものに絞り、そのあとで企業やチャートをじっくり調べる、という順番です。ミネルヴィニのトレンドテンプレートの条件は8つ。下の表はそのうち7つを私たちの言葉で言い換えたものです。8つ目は、あえて伏せておきます。答えは原書の第5章に。邦訳『ミネルヴィニの成長株投資法』でも読めます。 マーク・ミネルヴィニ『Trade Like a Stock Market Wizard』(McGraw Hill、2013年)
出典: sharpely:ミネルヴィニのトレンドテンプレート解説(52週安値の条件は25%) · TradingView・Pro-Setups:Mark Minervini Trend Template Criteriaスクリプト(25%、原書は30%と注記)
画面が狭い場合は表を左右にスクロールできます。キーボードでは表にフォーカスを合わせ、矢印キーを使ってください。
| 1・長期移動平均の上 | 株価が150日と200日の移動平均をどちらも上回っている。 |
|---|---|
| 150日移動平均が200日移動平均を上回っている。 | |
| 200日移動平均が少なくとも1か月上昇している。長いほどよい。 | |
| 50日移動平均が150日と200日の移動平均をどちらも上回っている。 | |
| 株価が50日移動平均を上回っている。 | |
| 株価が52週安値を大きく上回っている。2013年の原書では30%以上。sharpelyのトレンドテンプレート解説やTradingViewのPro-Setupsのスクリプトのように25%とする資料もあるので、使うスクリーナーの基準を確かめる。 | |
| 株価が52週高値から25%以内にある(高値からの下落が25%を超えていない)。高値に近いほどよい。 |
GSDAQは トレンドテンプレートをどう 使っているか
GSDAQの成長株トレンドのリストは、トレンドテンプレートに着想を得たスクリーニングを使っています。公式の実装ではなく、GSDAQはミネルヴィニ氏と提携関係にありません。条件やデータが原書と異なる場合があるので、リストに表示された条件が原書と同じだと決めつけず、比べて確かめてください。銘柄がリストに出入りしたら、まず日付とその条件を確認します。変化は企業やデータを調べるきっかけです。除外はその時点でしきい値をまたいだだけかもしれず、追加も除外も注文ではありません。
ルールの 前に、 どの 価格を 使うか 決める
日次終値、取引中の価格、確定した週足のどれを使うかを記録します。株式分割などの価格調整と、欠けた営業日の扱いも明記します。単純移動平均の期間は暦の日数ではなく観測数です。必要な履歴が足りない場合は計算できないと表示します。欠損値を0で埋めても、意図した意味の数字にはなりません。
一つの トレンド条件を 計算してみる
説明用に、最新終値が50営業日の単純移動平均を上回るという条件を選びます。前の49回の終値の合計が4,900ドル、最新終値が120ドルなら、平均は(4,900+120)÷50=100.40ドルです。この一条件は通過します。ただし架空の例であり、Trend Template全体ではありません。後から注文したときの約定価格も示していません。
条件の 通過と、 注文の 判断を 分ける
スクリーニングで分かるのは、記録された入力が定義した条件を満たすかどうかです。買う時点、保有量、流動性、前提が崩れたと判断する基準は別に考える必要があります。二つのサービスの結果が違う場合は、時刻、調整後価格、期間、しきい値を照合してから実装の誤りを疑います。境界付近では一つの観測値でも結果が変わります。
過去の 抽出一覧は 運用成績ではない
条件を検証するには、各時点で知り得た銘柄一覧を保存し、後からデータから消えた会社も含めます。仮想売買が可能になる時点と、考慮するコストも決めます。今も残る成功銘柄だけを見ると、条件が実際より優れて見えることがあります。条件通過の表示と、前提を記録したシミュレーションは別の証拠です。
移動平均の 条件と、 学術的な モメンタム要因は 違う
French Data Libraryの月次モメンタム・ファクターは、企業規模と過去2〜12か月のリターンで分けたポートフォリオから作られます。個別株の移動平均条件とも、SEPA全体とも異なる設計です。この資料は期間と比較対象の違いを確かめるために紹介しています。GSDAQがそのファクターやリターンを再現するという意味ではありません。 Kenneth French Data Library: monthly momentum factor construction
出典
- Mark Minervini: official SEPA education and services
- Kenneth French Data Library: monthly momentum factor construction
- マーク・ミネルヴィニ『Trade Like a Stock Market Wizard』(McGraw Hill、2013年)
- sharpely:ミネルヴィニのトレンドテンプレート解説(52週安値の条件は25%)
- TradingView・Pro-Setups:Mark Minervini Trend Template Criteriaスクリプト(25%、原書は30%と注記)
- 国立国会図書館サーチ:『ミネルヴィニの成長株投資法』(パンローリング、2014年)