バリュー投資
競争優位と 低PER:事業の 強さと 株価評価を 分けて 考える
持続する競争優位の根拠と、株価に含まれる前提を、簡単な利益の計算例で整理します。
バフェットの 「堀」は 何を 確かめる 考え方か
ウォーレン・バフェットはバークシャー・ハサウェイの2007年の株主宛書簡で、持続的な競争優位を、高い資本利益率を守る力と結び付けています。これは時間を通じた事業の強さを問う考え方です。一方、PERは株価を特定の利益指標と比べます。両方を調査に使えますが、一方だけで他方の問いには答えられません。ここではGSDAQの調査用メモを紹介します。バフェットの投資手法全体を再現するものではありません。 Berkshire Hathaway: 2007 shareholder letter, business moat discussion
「強い ブランド」の 仕組みを 説明する
強いブランドという言葉は、仮説の出発点です。値上げしても顧客は買い続けるのか、競合へ移るのか。顧客の行動と会社の収益にどう影響するかを書きます。顧客獲得コストの継続的な上昇など、仮説を弱める観測も決めてから、複数の決算期間を調べます。仕組みを説明しないラベルは検証しにくく、結果を見た後でも簡単に繰り返せます。
株価が 動かなくても PERは 変わる
架空のA社とB社の株価を、ともに60ドルとします。対象期間の1株利益がA社は6ドルならPERは10倍、B社は3ドルなら20倍です。その後、A社の利益が3ドルへ減れば、株価が60ドルのままでもPERは20倍になります。以前の利益を使うとA社は割安に見えましたが、それだけで利益の持続性は分かりません。将来予想ではなく、計算の説明例です。
事業、 株価、 足りない 情報を 別の 欄に 書く
事業の欄には、考えている競争優位、それを支える観測、別の説明を記録します。株価の欄には、利益の定義、観測日、比較を正当化するために必要な見通しを書きます。三つ目の欄には不足情報を残します。こうすると「事業を支える証拠は増えたが、株価を正当化する前提は厳しくなった」と、二つを無理に一つの評価にまとめず説明できます。
良い 数字の 別の 説明を 残す
一時的な需要増、例外的に安い原材料費、一度限りの会計上の効果など、良い数字を説明できる別の仮説を一つ選びます。企業への疑いを断定するためではなく、調べる問いです。次の決算でも同じ問いに戻ります。支持する材料だけを集めた点数では、自分の見方を変える条件が見えなくなります。
AIの 説明を 調査の 補助に する
GSDAQの説明を読むときは、競争優位を支える出典と、まだ確かめられていない株価評価の前提を確認します。自分のメモを元の提出書類と一緒に残してください。AIは問いの整理に使えますが、有名投資家の名前が付いていても、その本人が企業を調査した、アプリを推奨した、同じ結論になるという意味ではありません。